あるひとりの少女の物語

清んだ空 青い海
昇る太陽 消え逝く命
生きている意味がわからない
どこにも居場所なんてない

もぅ起こさないで…
まだ夢を見ていたいだけなのに
どこかであたしを呼ぶ声が聴こえる
果たして
天使の声か 悪魔の声か
聖人の声か 死神の声か

戸惑い 嘆き 落ち込んだ夜
見上げた空は
やっぱり真っ暗で
星ひとつ見えなかった

誰も信じられず
誰も頼れず
深い夜をさ迷った

心を冷たい風が通り抜ける
…寒かった
哀しかった 淋しかった
とてもとても 辛かった

あたしを魅了するものは
この世のすべて

瞳に映るそのすべてが
輝って見えた

生きたい…
ここにいたい…

もぅ少し もぅ少し
夢を見させて…
今度は
現実から逃げる夢じゃなく
未来を見据える夢を

あたしが信じた夢を…

あたしはまだ終われない

今この命が消え去ったら
きっと誰の心にも残らないまま
どの歴史にも残らないまま
存在していたことさえ忘れられていく

せめて せめて
ここに生きた証を
ちっぽけな証を
刻ませてください

世の中に貢献させてください

願わくば
永久に眠ることをここに誓って…





夢を捨てて
それでも少女は歩き続ける

いったい何のために?



それはきっと
生きるため

この矛盾した世界のなかで

ただ ただ
ひたすらもがき続ける…

あるひとりの少女の物語